会社沿革
陽野(ひの)ふるさと電力(株)
◎はじめに
当社は、奥秩父の秀峰熊倉山(1,426m)を源流とする寺沢川渓流沿い荒川日野にある。周囲を標高1,000m超の急峻な山嶺に囲まれ、水力発電に好条件の立地に恵まれている。
◎会社方針
◯基本的な考え方
電力の地産地消のために地域密着型の小水力発電事業者として、FIT(固定価格買取制度)による事業収入を活用した、地域の活性化に資する事業。FIT終了後は、電力の自家消費とガーデンファーム等の収益により持続的な経営を目標とする。
◯目指す姿
荒川日野地区での定住人口(移住者)、交流人口(観光客)や総務省推奨の関係人口(地域や地域の人々と多様に関わる人々)の増加。
◯実行具体策
①「花の山」
現在行われている陽野ふるさと会有志の里山再生事業を発展させ、 地区一帯を四季折々の「花の山」とし、首都圏の観光名所とする。
②ガーデンファーム
ガーデンファームとは、一戸一戸の農家がガーデン(庭)やファー ム(農園)を整備、地域全体を美しい景観にする地域興し。
③事業活動への発展
・植樹した花木からの苗木直売
・花卉や野菜の直売、飲食事業
・花見期間のイベント企画、渓流遊び等
④環境整備計画
・造園・園芸作業員の雇用
・高齢者・障害者向け自動運転エコカー(ゴルフカート改良型)配置
(参考事例:平成27年度より石川県輪島市で社会実験中)
・観光案内&物産販売所・遊歩道・べンチ・案内版等の設置
◎沿革
2017年(平成29年)
[8月] 環境省が進める「つなげよう支えよう森里川海」プロジェクトの一環として実施した秩父ふるさと絵本づくり(※鎮守の森コミュニティ推進協議会受託、以下、鎮守の森コミュニティ推進協議会は鎮守協と表記)の活動時、鎮守協の宮下代表が、当時秩父市議会議員として参加していた江田治雄氏に秩父での小水力発電の可能性を打診。以前から関心を持っていた江田氏も賛同、具体的な取り組みに進展。
※鎮守協は、京都大学こころの未来研究センター広井良典教授が提唱する「鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想:伝統文化に関わるものを自然エネルギーと結びつけ、地方創生や地域再生などに役立てる構想」を実践する団体。
[10月〜12月] 鎮守協メンバーである小水力発電専門家の全国小水力利用推進協議会松尾理事が参画し、アドバイスを受ける。当初は安谷川浄水場、安谷川上流を調査、さらに有望な候補地として寺沢川が浮上した。この間、荒川日野地区陽野ふるさと会有志と鎮守協メンバーとの会合を重ねる。以下、全国小水力利用推進協議会は小水協と表記。
2018年(平成30年)
[3月、5月] 小水協松尾理事の紹介で、陽野ふるさと会有志が、東京都奥多摩町檜原村(株)翠高庭苑運営の小水力発電所(寺沢川と同規模の発電能力50kw)を見学。百聞は一見に如かずを実感。
[7月] 陽野ふるさと会有志との小水力発電勉強会開催
[11月] 荒川公民館での住民説明会開催
2019年 (平成31年,令和元年)
[1月] 陽野ふるさと会有志14名と鎮守協3名、計17名の出資者による陽野ふるさと電力(株)設立。
[1月] 〜寺沢川水量測定調査開始
[2月] 陽野ふるさと電力(株)設立発会式
[3月] 取水地、小滝橋上流へ変更
2020年(令和2年)
[4月] 経産省からFIT(固定価格買取制度)による事業計画認定を受ける
[5月] 増資(出資者8名160万円)により資本金500万円となる
[5月] 寺沢川発電所起工式
2021年(令和3年)
[1月] 総務省「令和2年度ふるさとづくり大賞(団体表彰)」受賞
[5月] 秩父寺沢川発電所竣工
[5月] 売電開始
[6月] 秩父新電力株式会社と特定卸供給契約締結により地産地消スキーム開始
2022年(令和4年)
[4月] 令和4年第16回みどりの式典にて緑化推進運動功労団体内閣総理大臣賞を受賞
令和元年5月吉日
陽野ふるさと電力株式会社 取締役副社長 宮下 佳廣